インドでのセラピスト研修日記です。
今回のセラピスト研修は、基本的にアーユルヴェーダの基礎知識のあるセラピストさんが参加対象でしたので、理論、実技ともに深めの内容になっていました。
カリキュラムはざらっと大きく分けて、
★液体もの ダーラ/セーカ/パリシェーカ
★粉もの プラデーハ/レーパ/ウパナーハ/ウドゥワルタナ
★油もの アビヤンガ/マルダナ
★発汗もの ナーディスウェダ/ピンダスウェダ
★瀉血もの ジャーローカ/シラヴェーダ
★症状別の治療法
という感じです。
ひとつひとつの治療法や症状にフォーカスする、うっかり聞き逃せないような密度の濃い講義内容でした。
ダーラ/セーカ/パリシェーカは、すべて同じ「液体を注ぐ」施術法を指します。アーユルヴェーダの古典書には「同じ施術だけど違う名前」で表現されていることが良くあります。実際に、ダーラ(注ぐ施術法)に関しては、まだまだ他の名前も登場します。
有名なのは、シローダーラ=頭部に液体を注ぐ施術法ですね。
注ぐ液体は、症状や体質や季節などによって、さまざま使い分けるのですが、今回、頭部の施術は、クシーラダーラ(牛乳のシローダーラ)とタクラダーラ(バターミルクのシローダーラ)を学びました。
禁忌と適応、処置の手順(前処置・中心処置・後処置)はもちろん、(アーユルヴェーダ的&現代医学的な)頭部の解剖と機能についても簡単な解説がありました。
生徒からのあらゆる質問に対して、時間の許す限り、古典書と実際の経験に基づいて、正確で誠実な回答を返してくださり、このような講義は臨床経験豊富なBAMSの先生だからこそできる講義だと感じました。
薬液の作り方や、施術の手技は、本来の伝統的な方法を見せてくれたり、(日本でも再現可能そうな)幾通りかの方法を見せてくれたり、柔軟で実践的な内容に感動しました。
同様に、身体へのスネーハナ&スウェダナとしてのパリシェーカの研修もありました。
身体部位による注ぎ方の違い、目的による温度の違い、薬液による作用の違い、ただ「注ぐ」という治療ひとつで、多くの学ぶべき事項があります。
この治療は多量の薬液を使う贅沢な施術法ですが、その効果も大きいので、これから日本でももっと研究&普及されていくのではないかと思います。