「アーユルヴェーダのアビヤンガと、他のオイルマッサージは何が違うんですか?」というご質問を頂くことがあります。
現在の日本では、オイルを使ったさまざまな施術を受けることができます。
アロママッサージ、スウェディッシュマッサージ、リンパマッサージ、ロミロミなど…さまざまな名前を耳にしますね。
「いったい何が違うんだろ~?」「どれを選べばいいんだろう~?」と迷われるのも当然のことでしょう。
今回は、アーユルヴェーダのオイルトリートメント「アビヤンガ」の、これぞ特徴!!というポイントをご説明します。
実は、アビヤンガの特徴はとってもシンプルで、「オイルを塗りこむ手技」だということです。
アーユルヴェーダには、オイルを使った手技がとてもたくさんあります。
その中で、「繰り返しさすって、オイルを身体に塗りこむ手技」というのがアビヤンガなのです。
ですので、この施術のメインは「オイル」です。
その人にあった、良質のオイルを、いかに、身体の細部にわたり、すみずみまで、しっかりと塗りこめるかが肝なのです。
手順としては、
まずは、たっぷりの温かいオイルを肌の上に流しかけ、
そのオイルを、手を使って丁寧に塗りこんでいくわけです。
ですから、揉んだり、指圧したり、叩いたりする、いわゆるマッサージのイメージではなく、
手をピタリと肌に密着させて、肌を丹念にさするようなイメージです。
オイルの量が多いので摩擦は少なく、痛さはまったくありません。揉み返しもありません。
たっぷりの温かいオイルと、優しい手に包まれる、大変心地良い施術です(*^-^*)
基本的には、心臓から末端に向かって、遠心的に施術はすすめられます。(場合によっては、求心的に施術を行うこともあります)
そして、以前のブログでも書きましたように、アビヤンガの後には「発汗法」を必ず行います。
発汗の方法は、蒸気サウナ、乾式サウナ、温浴など、さまざまな方法があります。
発汗法により、代謝が活性し、身体のすみずみまでオイルが浸透して、老廃物の排泄を促します。
発汗方法については、またいつか詳しく書く予定にして、ここでは「アビヤンガの後は、必ず温める」ということがこの施術法の特徴だということをお伝えいたします。
これが基本的なアビヤンガの説明ですが、アーユルヴェーダには、他にもオイルを使ったさまざまな手技があり、アビヤンガを行う際に、その他の手技を適宜おりまぜて行うことも多々あります。
例えば、「マルダナ」と呼ばれる押したり揉んだりする強めの手技や、「マルマ療法」と呼ばれるエネルギーの滞りを解消するような手技を取り入れることもあります。
そうした手技を取り入れる場合は、状況にあわせて、オイルの量を調節したり、ストロークやリズムを調整したりします。
ここまで、アビヤンガの技術面についてご紹介しましたが、
上述のとおり、アビヤンガの施術において、もっとも大切なのは技術ではなく「オイル」なのです。
ですから、アビヤンガの施術を行うサロンをお探しの場合、オイルの品質にこだわっている(使用するオイルを大切にしているな~ということがわかるような)サロンをお選びになることをおススメいたします。
インドやスリランカでしたら、何十種類もの薬草が入った伝統処方の薬用オイルがいくらでも入手できますが、日本で全く同じオイルを、サロンでお客様に用いることは、薬機法上、あるいは輸入に関する法律上など、なかなかハードルが高いです。
いくつかの日本の会社が、インドやスリランカで作られた薬用オイルを、日本の法律をクリアした形で化粧品販売していますので、そういった製品をサロンで使うことは可能です。
また、セサミオイルやココナツオイルやスイートアーモンドオイルなどを使って施術を行うことも可能です。
「オイルの品質にこだわっている(オイルを大切にしているな~ということがわかるような)サロン」というのは、インドやスリランカ産の伝統処方のオイルを使っているサロンという意味ではなく、良質で安全なオイル(鮮度、成分、製造方法、衛生面など様々な観点からみて)を使用していることが、まず優先されることかと思います。
そのうえで、どのオイルを使用するかは、アーユルヴェーダの基本的な薬理理論をセラピストが知っている必要があるでしょう。
もちろん、プロの施術においては、安全で効果的な技術も必須です。
アビヤンガには禁忌事項(施術ができない場合)もあります。
知識と技術の研鑽をし、お客様の健康・安全・快適さなどをできるかぎり気遣うことが、セラピストに必要な資質である「思いやりの心」かと思います。
(アーユルヴェーダの古典書には、"セラピストに必要な資質"という項目もあります。)
よろしければ、施術選び、サロン選びのご参考になさってください♪
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