2020年
2月
11日
火
インドでのセラピスト研修日記です。
今回の研修ツアー参加者は総勢17名でした。
先生方から教えていただいたことはもちろんですが、
この17名の仲間たちから学んだこともたくさんありました。
アーユルヴェーダ学習者にとって古典書の内容は「正しく」、聖典と呼ぶ神聖なものですが、
やはり人あってのアーユルヴェーダだなーと、改めて、心に強く感じました。
アーユルヴェーダの学習をしていると、心震える瞬間や、人生を変えるような出会いが、時折あります。そんな時、「今ここにいること自体が奇跡だな」と感じます。
今回のインド滞在中にも、「奇跡」という表現が大げさではないような感動と出会いがありました。
なんでしょう、、、だからアーユルヴェーダはくせになります(笑)
今回の研修で関わった方、ご一緒させて頂いた皆さまに、心から感謝申し上げます。
ちゃんとテスト合格して修了証もらえましたよー
2020年
2月
10日
月
インドでのセラピスト研修日記です。
アーユルヴェーダでは内科的治療が多いですが、症状によっては外科的処置を行う場合もあります。中でも、瀉血法(汚れた血液を排出させる)は、皮膚疾患などの改善によく使われているようです。
瀉血の方法はいくつかありますが、今回は「静脈切開(翼状針を使用した瀉血)」と「ヒルを使用した瀉血」の2種の治療を見学しました。
「ヒル(蛭)を使う」というと驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、私は今回を入れて、3度別々のインドのアーユルヴェーダ病院を訪ねていますが、その中で何度もヒルによる瀉血治療の様子を見ました。それほど、現地のアーユルヴェーダ病院では一般的で、効果的な治療法なのだと思います。
私の友人も、長年煩っていた原因不明の皮膚の炎症が、アーユルヴェーダ病院に入院してヒルによる瀉血を行い、すっかりきれいな肌になりました。(その後の生活養生を続けることも重要です)
もちろん、使用するのは医療用の決まったヒルです。
(山でヒルに噛まれても治療にはなりませんのでご注意を。。。)
ただ血を抜けばいいというわけではなく、医師の診断と処方により、「前処置・中心処置・後処置」の手順を踏んで治療にあたります。血液の排出量なども、病状や患者さんにより見極めが必要です。
中心処置がいわゆる「血を抜く」という処置になるわけですが、アーユルヴェーダでは、治療の組み立てで必ずと言っていいほど「前処置と後処置」というステップが付いてきます。
この前処置・後処置をしっかりできるかどうかで、治療の成功が左右されると言っても過言ではありません。
瀉血についても、私が施すことはありませんが、見識を深めるという意味で、大変貴重な経験になりました。
治療の道具いろいろ。
製薬の講義のひとコマ↓
2020年
2月
08日
土
インドでのセラピスト研修日記です。
今回の研修では、症状別のスネハナ(油剤法)とスウェダナ(発汗法)を習いました。
★腰椎症
★頚椎症
★変形性関節症
★ねんざ
★片麻痺
などの症状について、病因、症状、診断、処方についての解説を聞き、それぞれに合わせた外用治療の手順のデモンストレーションを見せていただきました。
私は医師ではないので、上記の治療を行うことはありませんが、知識として持っておくことで危険を回避したり、リラクゼーションといえど、より効果的な施術の一助になることは間違いないと思います。
一言にスネハナと言っても、サムワーハナ(優しくなでる)・アビヤンガ(繰り返しさする)・マルダナ(もみほぐす)といったマッサージ技術や、パリシェーカ(注ぐ)、バスティ(溜める)、ウパナーハ(湿布する)など多種多様です。
スウェダナも然り、ヴァシュパスウェダ(全身蒸気発汗)、ナーディスウェダ(局所蒸気発汗)、サンカラスウェダ(ハーブボール)、パリシェーカ(灌注法)など、
そのたくさんのなかから、どのオイルを選び、どの程度の時間、どの手法を用いるのか、症状の度合いや部位だけでなく、患者さんの体力や年齢、体質なども考慮して治療を組み立てます。
このあたりの治療の組み立てについては、とても一日二日で身につくことではないので、学んだというより、現場の空気を感じたという方が正しいかもしれません。
私の母校、日本アーユルヴェーダスクールの本科でも、上記の症状について講義を受けたことがありますが、今回、実際に現場(クリニック)でどのように治療が行われているのか、その一端を見ることができて、本当に良い経験でした。
スウェダナ(発汗法)の一種「パットラピンダスウェダ(葉っぱのハーブボール)」を作ってるところ↓
葉っぱを包んだり、米を包んだり、果実を包んだり、砂を包んだり、いろんな種類があります。
IHでヒマの葉をあぶっている。(ウパナーハ用(温湿布))
タライに入っている薬用オイルは、温めてパリシェーカ(灌注発汗)に用います。
奥の箱は、座るタイプの蒸気浴です。
手前の(なんとなく)ハート型のタオルがかわいい。
2020年
2月
07日
金
インドでのセラピスト研修日記です。
今回のインド滞在は、朝から晩までほぼ勉強漬けの毎日でした。
朝8時すぎにお迎えのタクシーがホテルに来て、約1時間かけて通学。
9時から10時くらいに講義が始まり、17時~18時くらいに授業が終わり、(1時間ほどお昼休憩が入ります)
19時から20時くらいにホテルに送り届けてもらいます。
(もちろんインドですから、さまざまな理由で1-2時間のスケジュールの誤差はざらにあります。早まることはほぼなく、概ね押せ押せになります。)
途中、合い間合い間に寺院観光などもありながら、約10日間上記のスケジュールで、みっちり理論と実技を学びます。
そもそも今回の参加者は、アーユルヴェーダの基礎知識があり、セラピストや医療に従事されている皆さんでしたので、授業の内容も初日から濃い!!イントロダクションなんてなしです。(笑)
教える側も全員アーユルヴェーダ医師(BAMS)で、生徒からの質問も質の高いものが多く、講義が白熱することもしばしば。(どんな質問にも、古典書を基にとても誠実に回答してくださいました)
実技講習の種類もめちゃくちゃ多く、丁寧に指導してくれるので、大幅時間オーバーもしばしば。
私などは、ホテルに着いたらバタンキュー(笑)まったく余力なくクタクタになってました。
ただ、宿泊も食事も交通もすべてAyuevedgramのほうで手配してくれていたので、私たちは勉強に専念することができ、かなり恵まれていました。
辛すぎないようにレストランのオーナーに特別注文して下さったり、毎日ルームサービスでミネラルウォーターを入れてくれたり、いろいろ日本人のために配慮していただいて、一言では言えないほど、本当に本当にありがたい環境でした!!
今回の滞在中、私は一日の終わりにはクタクタになりながらも、毎日翌朝には回復して、帰国まで元気に過ごすことができました。それは下記のアーユルヴェーダ的セルフケアを実践していたことが大きいと思います。
海外旅行で体調を崩しやすい方は、よろしければ参考にしてみてください。
【今回のインド滞在中に実践したセルフケア】
1、毎食、腹6~8分目で食事を終える。
2、朝食を抜く。(温かい飲み物だけにする。毎食外食なので、1日の食事量を抑えるため、朝で調整しました。)
3、飲料水は白湯(沸かした水)にする。
4、食べすぎかな?食事が重かったかな?と思ったらミント茶を1杯飲む。
5、夜更かしせずなるべく同じ時間に寝て、時間にゆとりをもって起床(ゆっくりトイレタイムができるように)、朝シャワーを浴びる。
6、就寝前にヒマシ油(小さじ1弱)を生姜湯で飲み下す。
1、2、3、4は、胃腸を守り、体調を維持するためで、
5は、便秘予防と、夜よく眠れるようにするためで、
6は、便秘予防に加え、私は変形関節症があるので、その関節痛や疲労の緩和のためです。
私は旅になると、眠れなかったり、便秘になったり、旅疲れしやすいのに加え、足の関節症があるので、みんなについて行くのが無理そうなら途中で1日くらいお休みしてもいいな・・・くらいに考えていました。
ところが、以上のシンプルなアーユルヴェーダに沿ったケアで、10日間健やかに、すべてのスケジュールをこなすことができました。やっぱりアーユルヴェーダの知恵は実用的だなーと感じています。
大人も中盤以降の人生になると、ここまで勉強に集中する機会はなかなかないので、本当に素晴らしい時間だったと思います。今回みんなについて行けたことが自信になったので、また行きたいです!!
あ、なんだか最終回みたいな書き方になりましたが、研修日記ブログはまだ続きます。
座学で学んだ治療法を、すぐに実習できるのは、インドだからこそできる体験です。
鍋の下のランゴリ(吉兆絵)は、製薬を始める前にドクターがスルスルッと描いていました。
アーユルヴェーダでは、製薬の中でマントラを唱えることもあります。見えない力により薬の効果をより良いものにするためです。
お昼ご飯はスクールの目の前の食堂で毎日頂きました。(そちらのオーナーが日本語ペラペラで驚きました!)チャパティも白米も食べられます。消化吸収をよくするバターミルクも添えられています。
ホテルの夕食は毎回こんな感じです。豪華!!
食べ放題で、何種類もお料理が運ばれますので食べすぎ注意です。おなかの調子に合わせて、あえて白米とダールだけ頂く日もありました。
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2020年
2月
06日
木
インドでのセラピスト研修日記です。
今回のカリキュラムの主要テーマのひとつ「レーパ」は、ペーストによる湿布です。
「泥膏」という和訳も見かけます。(古典書の和訳を読んでいると、初めて聞く日本語に結構会います)
これも、類義語がたくさんあり、レーパ/プラデーハ/ウパナーハはすべてペーストによる湿布です。(実際には、もっといろんな言葉が古典書には出てきます)
今回の講義では、
レーパ・・・ペーストを塗って、しばらく置いて、適度に乾いたら取り除く。
ウパナーハ・・・発汗法であり、ペーストを塗った上から綿布などで巻いて、ある程度長時間固定しておくこと。
というふうに習いました。
関節の痛みや腫れに用いるレーパ、皮膚の炎症に用いるレーパ、美容に用いるレーパなど、ペーストの作り方や処置方法の実習は、とても実践的でした。
ローズのレーパ(フェイシャルパック)などは、女性の皆さんご興味のあるところではないでしょうか?!
ウパナーハにもさまざまな種類がありますが、
今回は、ハーブペーストの上にヒマの葉を添え、その上から包帯でバンテージして固定するという、一連の処置を体験させてもらいました。
私はたまたま膝が痛かったので、授業終わりにウパナーハをしてもらい、就寝前まで6時間ほど湿布していましたが(本当は一晩寝ると良いけどベッドに染み出るのがこわかった)、膝の動きがなめらかになり、立ったりしゃがんだりが楽になりました。
慢性的な膝の痛みであれば、ある程度定期的に続けると良い結果が期待できそうです。
さて、私が施してもらったウパナーハにはハーブ以外の材料も入っているのですが、そのうちのひとつが「牛の尿」です。
牛の尿(ゴームートラ)はアーユルヴェーダのお薬として、然るべき精製をされて販売されています。精製されているとはいってもしっかりアンモニアの匂いがするので、これが練られたペーストはそれなりの匂いがします。
この牛の尿のおかげで、深部まで薬効が素早く浸透するのだそうです。
日本での代用品も(尿以外で)いろいろ教えていただきましたので、ハッピーアーユルヴェーダのお客様は安心してください。(笑)
ニームのレーパ。生のニームの葉を薬研で磨り潰したものです。
ウパナーハに使うヒマの葉っぱ。洗って干してある。この後、軽くあぶって用います。
まじめにがんばっております。
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2020年
2月
05日
水
インドでのセラピスト研修日記です。
今回のセラピスト研修は、基本的にアーユルヴェーダの基礎知識のあるセラピストさんが参加対象でしたので、理論、実技ともに深めの内容になっていました。
カリキュラムはざらっと大きく分けて、
★液体もの ダーラ/セーカ/パリシェーカ
★粉もの プラデーハ/レーパ/ウパナーハ/ウドゥワルタナ
★油もの アビヤンガ/マルダナ
★発汗もの ナーディスウェダ/ピンダスウェダ
★瀉血もの ジャーローカ/シラヴェーダ
★症状別の治療法
という感じです。
ひとつひとつの治療法や症状にフォーカスする、うっかり聞き逃せないような密度の濃い講義内容でした。
ダーラ/セーカ/パリシェーカは、すべて同じ「液体を注ぐ」施術法を指します。アーユルヴェーダの古典書には「同じ施術だけど違う名前」で表現されていることが良くあります。実際に、ダーラ(注ぐ施術法)に関しては、まだまだ他の名前も登場します。
有名なのは、シローダーラ=頭部に液体を注ぐ施術法ですね。
注ぐ液体は、症状や体質や季節などによって、さまざま使い分けるのですが、今回、頭部の施術は、クシーラダーラ(牛乳のシローダーラ)とタクラダーラ(バターミルクのシローダーラ)を学びました。
禁忌と適応、処置の手順(前処置・中心処置・後処置)はもちろん、(アーユルヴェーダ的&現代医学的な)頭部の解剖と機能についても簡単な解説がありました。
生徒からのあらゆる質問に対して、時間の許す限り、古典書と実際の経験に基づいて、正確で誠実な回答を返してくださり、このような講義は臨床経験豊富なBAMSの先生だからこそできる講義だと感じました。
薬液の作り方や、施術の手技は、本来の伝統的な方法を見せてくれたり、(日本でも再現可能そうな)幾通りかの方法を見せてくれたり、柔軟で実践的な内容に感動しました。
同様に、身体へのスネーハナ&スウェダナとしてのパリシェーカの研修もありました。
身体部位による注ぎ方の違い、目的による温度の違い、薬液による作用の違い、ただ「注ぐ」という治療ひとつで、多くの学ぶべき事項があります。
この治療は多量の薬液を使う贅沢な施術法ですが、その効果も大きいので、これから日本でももっと研究&普及されていくのではないかと思います。
牛乳(クシーラ)とバターミルク(タクラ)。ここに薬草などが入り、ダーラの薬液ができあがります。タクラは発酵液なのでブクブクしてますね。
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2020年
2月
04日
火
インドでのセラピスト研修日記です。
先月、インドはマハラーシュトラ州プネ市のAyurvedgramというアーユルヴェーダクリニックにて、セラピスト研修を受けてきました。
Ayurvedgramでは、アーユルヴェーダ医師(BAMS)による診察をしてもらい、施術室にて各種治療を受け、処方されたアーユルヴェーダのお薬を購入することもできます。
小さいながらも図書スペースやレクチャールームもあり、今回の私達のような研修や専門講義など、教育機関の役割も果たします。
現在、アーユルヴェーダカフェの増設も計画中とか。
その役割の多さから、クリニックと呼ぶよりも、町中にある『アーユルヴェーダ総合センター』といったほうがいいかもしれません。
実際、このような町中にある総合的施設はインドでも珍しいようですし、皆さんもなかなかイメージしにくいかもしれませんね。(私もはじめて見ました)
今回の研修旅行はAyurvedgramが主催となり、日本のサトヴィック・アーユルヴェーダ・スクールさんが現地での講義通訳などサポートをしてくださいました。
こちら施設の責任者のDr.Sukumarは、Atharva Nature Healthcareというアーユルヴェーダ製薬会社の社長でもあり、ショップにはさまざまなアーユルヴェーダのお薬や健康食品やグッズが並んでいました。(そのため、日本メンバーの買い物欲は滞在中とどまることを知りませんでした(笑))
AyurvedgramのDr.Sukumarとも、サトヴィックの佐藤真紀子先生とも、私はこれまで何度かお仕事をご一緒したことがあり、大変尊敬するお二方ですので、この研修の募集を見て、その内容の濃さに「これは行くしかない!」とすぐに申し込みを決めました。(申し込み1番だったみたいです(笑))
参加した感想として、驚くほど内容の濃い充実した研修でしたので、後に続く皆様のために、ぜひ今後もこのセラピスト研修は続けていただきたいと願います。
これからブログで研修の報告をしようと思いますが、詳細を語ることは(膨大すぎて)無理なので、雰囲気だけ写真とともにお伝えします。どうぞインドの風をふんわり感じてください。。。
Ayurvedgramの入り口。とてもきれいな外装&内装です。
1階はショップ(薬局)と診察室があり、2階は施術室3室、診察室1室、レクチャールーム1室があります。
入口を入るとすぐにダヌワンタリ神像がお祀りされています。
2階には施術室が3室あります。今回は参加人数が多かったのでこの3室に分かれて、それぞれドクターとセラピストがついて実技研修を受けました。
ショップには、アーユルヴェーダのハーブやオイル、健康グッズなどがきれいに並べられていました。
診察室前の待合室。
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